みなさんこんにちは、MUASAKOドラム教室の茂木草馬です。
週末は1日レッスンでした♪
気候もすっかり秋めいてきましたね🍁
花粉?なのかくしゃみや目のかゆみをここ一週間で感じるようになってきました。。
いつでも体調管理は大切ですね!
今日の記事は前回の続きということで、
9月18日に無観客で行われたライブを振り返ります!
ライブにおけるドラマーの役割
私にとっては久しぶりのライブでした。
やっぱり楽しいというのが率直な感想です♪
お客さんを入れずに演者だけで音を出しても、なぜか本番はリハーサルとは違う何かが生まれます。
そして学びの機会になりますね。
久しぶりに音を出しても、このメンバーとは幾度となくご一緒してきたので、
大きな不安もなく思い切って本番に臨むことができました。
ここで、ライブにおけるドラマーの役割についてお話ししたいと思います。
今読んでくださっている方の頭の中にも、いくつか思い浮かんでいるのではないでしょうか。
リズムキープ、バンド全体の音量のコントロール、などなど。
浮かんだどれもが正解だと思いますし、人それぞれに役割について考えがあって良いと思います。
それがドラミングに如実に現れるので、結果として10人ドラマーがいれば10通りのドラミングが生まれるわけです。
さて、では私が思うドラマーの役割はというと、
ライブや楽曲におけるストーリーテラーだということです。
ストーリーテラー(storyteller)
ストーリーテリング(英: storytelling)は、語り手が、相手に伝えたい思いやコンセプトなどを、それを想起させるような印象的な体験談あるいはエピソードなどの「物語」を引用し、例示することで聞き手に聞かせ、印象付ける手法のこと[1]。
ということで、楽曲やライブにおいてこんな役割をドラマーが担っていると考えています。
次の展開はこんなだからこんなフィルインをしてみよう。
こんな場面だからこんな音量やリズムパターンにしてみよう。
見るものを惹きつけることも大事ですし、ほかの演者を次の展開にリードしていくことも重要です。
ただ淡々と演奏することにはそこまで意味はありません。歌詞によって、またメロディやコードによって、
他にも様々な要因で演奏する内容は変わってきます。
楽曲の持つ世界観やストーリーを理解して、または解釈して演者やお客さんにそれを伝えていく。
これがドラマーとしての重要な役割だと考えています。
つまり派手なフィルインやパターンなどは特に重要視していないということです。
楽曲において必要であればやればいいし、明らかに場違いな場面で自身の腕をひけらかしても、
それは価値のあるものではないということです。
きっかけがあった
もともと私は師匠の則竹先生の教えで、楽曲至上主義という考えで演奏をしています。
楽曲至上主義とは、自分がどんなプレイがしたいか、を考えるよりも
演奏する楽曲にどんなドラミングが必要かを考えて演奏することを指します。
極端な例で言えば、繊細なバラードを演奏するときに、雰囲気に合わない派手なフィルインやパターンは必要ない。
曲をよくするためにはスティックよりもブラシやロットで刻む方が良いかな?などと考えてプレイすることです。
学生時代からこの教えでやってきたし、いまでもその通りだと考えています。
ただ自分の場合は少し受け身になりやすいというか、
演奏予定の楽曲の分析や勉強をしてある程度やるべきことは決まってきても、
その考えをほかの演者やお客さんに伝えよう!
というところまでは行けていなかった気がします。
要は理解や解釈まではしていても、ストーリーテラーではなかったわけですね。
そんな私にこれも師匠のつながりで今やジャズ界の巨匠、
ベーシストの納浩一さんと演奏させていただく機会がありました。
現場でもたくさんアドバイスをいただいたのですが、その後の文章のやりとりの中で、
素敵なストーリーテラーになりなさい というお言葉をいただきました。
その言葉を知らなかった私は返信もそっちのけで意味を調べ、そして感動したものです。
数時間のプレイの中で私に一番足りていないドラマーとしての要素を見抜き、印象に残る単語で伝える力。
これもまさにある種のストーリーテリングであるし、
納さんが一流ミュージシャンたる所以だなと痛感させられました。
そしてその後から有名ドラマーの演奏を見る視点がガラリと変わりました。
良いドラマーとされている方、長年活躍されている方は漏れなく良いストーリーテラーです。
楽曲の中に場面、展開をしっかりと作ることができ、1曲、2曲、
そして1つのライブを聴き終えたときには何か物語を読んでいたかのような感覚にさせられる。
もちろんテクニックは重要です。そして派手なドラムソロも時に必要です。
ただそれらはより良い音楽、ストーリーを作るために必要な、
いわば引き出しなんだということを忘れずにプレイしていきたいと思います。